
「スリムな体型を維持したい」
ダイエットは、多くの女性にとって永遠のテーマ。
当ジムでも

「この間たくさん食べちゃったので太ってしまった。」
「この間の筋トレで、足が太ってしまった気がする・・・」
と心配されたり、

というお話をよく聞きます。
しかし、その一方で、実は「痩せすぎ」がもたらす健康へのリスクも深刻な問題になっていることをご存知でしょうか?

実は、日本人女性は世界的に見ても痩せている人の割合が高いのですが、ご自身では「太っている」と感じている方が多いというデータもあるんです。
特に若い女性の間では、「細さ」が美の基準とされるような「痩せ志向」が根強く残っています。
ダイエットして痩せていれば健康じゃないの???
あなたはジムのトレーナーだから、痩せることばかり言ってればいいんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、今回はいつもと少し視点を変えて、「痩せすぎ」がもたらす健康リスクについてお話ししたいと思います。
もし皆様のお子様や職場にいらっしゃる20代くらいの若い女性たちにもぜひ知っていただきたい、とても大切な内容です。
体重計の数字だけにとらわれない、本当の健康と美しさについて
一緒に考えていきましょう。
目次
1.「痩せ」に潜む健康リスクとは?最新医学が警鐘を鳴らす「女性の低体重/低栄養症候群(FUS)」

単に体重が軽いというだけでなく、低体重や低栄養を背景とした様々な健康障害を包括的に捉える考え方です。
「痩せ=美」という価値観が深く浸透し、痩身願望が強く、糖尿病や肥満症の治療薬であるGLP-1受容体作動薬の適応外使用が「安易な痩身法」として紹介され、社会問題となっている。
それを簡単に薬で痩せようと言う考え・・・怖いと思いませんか?
- 低栄養・体組成の異常
BMI18.5未満、筋肉量の低下、ビタミンD・亜鉛・鉄・カルシウムなどの栄養素不足- 月経異常
無月経や月経不順。将来の不妊につながるリスクも高まります。- 骨粗鬆症
若い頃の痩せが、将来の骨折リスクを高めます。- 耐糖能異常
血糖値のコントロールがうまくできなくなる状態。*詳しくは次の章で解説します。- 精神・神経系の不調
抑うつ、不安、集中力低下、睡眠障害、冷え性、頭痛など。
これらの問題は単なる個人の悩みにとどまらず、生まれてくる子どもの健康にも影響を及ぼす社会的な課題とされています。
周りの女性の方で過度なダイエットをしていないか、少し気に掛けてあげることも大切かもしれませんね。

2. 痩せているのに糖尿病予備軍?「脂肪筋」と「サルコペニア」の恐怖
「痩せていれば糖尿病とは無縁」と思っていませんか?
実は、これが最も危険な誤解の一つなのです。
ある研究で・・・、


なぜ、痩せているのにこのようなことが起こるのでしょうか???
それは筋肉の「量」と「質」と言われています。
痩せている女性の多くは、「食べない+運動しない」という「エネルギー低回転型」の生活を送りがちです。
食事量が少ないためタンパク質が不足し、運動不足で筋肉が使われないと、筋肉の量が減ってしまいます。

さらに問題なのが、筋肉の「質」の低下です。サルコペニアの対策は大切です。
この「脂肪筋」は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きを悪くする「インスリン抵抗性」という状態を招きます。

3. 未来への投資は「骨貯金」と「筋肉貯金」!今から始めるべきこと。


女性が寝たきりになる原因の多くは、「転倒による骨折」って知ってましたか?
40代50代、そして60代70代も、
これからの人生を元気に過ごすために最も重要なのが「筋肉」です。
筋肉は、加齢とともに自然に減少していきます(サルコペニア)。
筋肉量が減ると基礎代謝が落ちて太りやすくなるだけでなく、血糖値のコントロールが悪化したり、転倒しやすくなったりと、様々な健康問題を引き起こします。

筋力トレーニングは、筋肉に適切な負荷(ストレス)をかけることで、筋肉量を増やし、質を高める最も効果的な方法です。
筋肉が強くなることで骨にも刺激が伝わり、骨密度の維持にもつながります。
「運動しても体重はなかなか減らない」と感じる方もいるかもしれません。
たとえ体重が変わらなくても、運動によって筋肉内の脂肪(脂肪筋)は減り、筋肉の質は確実に改善されています。
体重計の数字の変化以上に、この「質の改善」こそが、糖尿病などの生活習慣病を予防し、健康な身体を維持するために非常に重要なのです。

4. 体重計の数字から卒業!「エネルギー高回転型」の健康美を手に入れるために。
健康を考える上で大切なのは、単に「痩せているか、太っているか」という体重の「量」の問題ではありません。
筋肉や骨といった身体の構成要素の「質」が問われているのです。
外からも内からも美しさを目標とするのであれば「食べない・動かない」という「エネルギー低回転型」ではなく、「しっかり食べて、しっかり運動する」という「エネルギー高回転型」の健康的な身体です。そのためには、まず食事を見直しましょう。
痩せの願望が強く「炭水化物を少しだけ食べて、おかずもあまり手をつけない。」といった食事ではタンパク質が不足し、筋肉は作られません。
毎食、お肉やお魚、豆類、乳製品などを取り入れて、良質なタンパク質をしっかり摂ることが大切です。
そして食だけではなく、もう一つ大切なのが運動です。
スポーツ庁の調査でも、30~40代の女性は仕事や家事で忙しく、スポーツ実施率が低い傾向にあります。
(参考:スポーツ庁)2020歳以上のスポーツ実施率の推移 ※別紙にも掲載しています。
でも、大丈夫。
日常生活の中に運動を組み込む「ながら運動」や「すきま時間エクササイズ」で十分効果はあります。
- デスクワークの合間に30分に1回立ち上がって、背中のストレッチをしてみる。
- テレビを見ながらできるトレーニングをする。
- 通勤時に一駅分歩いて、歩数を意識する(目標は1日8000歩!)。
こういった小さな積み重ねが、筋肉の質を改善し、健康な身体を作ります。
運動を「特別なこと」と捉えず、生活の一部として楽しむことが継続の秘訣です。

「痩せ」に隠されたリスク、そして筋肉と運動の重要性をご理解いただけたなら幸いです。
体重という一つの指標に一喜一憂するのではなく、しなやかで力強い筋肉と、丈夫な骨を持つことこそが、年代を重ねるごとに輝きを増す、本当の美しさと健康の証です。
もし周りに過度なダイエットをしている若い方がいたら、ぜひ今日のお話を伝えてあげてください。
当ジムでは皆様一人ひとりの身体の状態を見ながら、最適なトレーニングと食事のアドバイスで、皆様が最高の健康美を手に入れるためのお手伝いをさせていただきます。
何か気になることがあれば、いつでも気軽に声をかけてくださいね。